GPニュース Vol.4 (2009年1月23日発行)

まえがき

GPニュースVol.4では、11/24に生明祭で行われたポスター発表について主に取り上げています。また、今年度開催したコーヒータイムの報告、後期に行われた研究集会の報告および今後行われるセミナーの告知もあります。

特集:生明祭でのポスター発表の報告

11月22日~24日に明治大学生田キャンパスで開催された生明祭において、最終日の24日に博士前期課程1年金沢雄太・野口広敬・松原達男の3人によるポスター展示「数学の世界 ~不思議な数π~」を実施しました。当日の朝は曇天、午後には雨が降るなど天候状況のよくない中、子供から大人まで幅広い年代の多くの人達に来ていただくことができました。その中で、M1の学生達が相手に合わせながら解説をしている様子は、ここまでがんばって用意してきたものが実を結んだように見え、ポスドクとしても非常にうれしく感じました。

では、当日の様子を紹介します。

ポスター発表当日は9時に集合し、10時開場しました。およそ50名の来場者があり、一緒にπの不思議さを実感することができたと思います。小中高生を始めとして、学内外の大学生、OBOG、年配の方など幅広い年代の来場者がありました。

数学の展示ということで、ポスターを見ただけで難しそうと感じる人も見られ、証明に関してはほとんどの人が避けていたようでした。そのため、ポスターを見せるだけでなく、黒板を使って質問に対応することもありました。また、ポスターや口頭での説明の他に、コンパスと定規を置いておき「与えられた長さに加減乗除した長さの初等作図」を体験してもらうコーナーを設置しました。


発表を行った博士前期課程1年3人の感想を一部紹介します。

発表当日に使用する部屋を確保したり、実行委員の人と連絡をとり話し合ったりする等、社会人になって役立つであろうことを経験できた。メールでやりとりをしたのだが、自分達が伝えたいことを、いかに端的に述べるか考えるのに苦労した。しかし良い経験になった。(博士前期課程1年 金沢雄太)

今までポスターを作成したことがなかったので、大変苦労しましたが、PowerPointの使い方や、レイアウトの工夫の仕方など、いろいろなものを得ることができ、とても有意義な時間となりました。発表当日も、たくさんの方が見にきて下さり、充実したものとなったので大変うれしく思います。(博士前期課程1年 野口広敬)


本プレゼンテーション課題研究を通じて、実際に企画から本番までの過程を経験することで、展示の大変さがわかり、ポスター作成を一から自分たちで行うことで、PowerPointの使い方も上達した。また、見に来てくれた人が興味を持ってくれたのが、嬉しく思えた。(博士前期課程1年 松原達男)


このような発表会は、来年度も開催される予定です。その際はこのGPニュースでもまた紹介をしますので、ご来場をお待ちしております。

連載

今年度のコーヒータイムの報告

1) 目的:

異分野交流、上下のつながりを深めることを目標に、「コーヒータイム」を数学科資料室において4月から始めました。毎週水曜日の昼休みに、コーヒー・紅茶・日本茶をGPポスドクが用意し、研究室間、先輩後輩や先生方との間のより深い交流が生まれるきっかけになることを目的に行いました。

とき:毎週水曜12:00~13:00 (お弁当持ち込み可)
場所:数学科資料室 (第二校舎6号館6階 6607)


2)どんな内容だったか:

i) 前期:初めは各人が自由に交流を行い、また、5月からはいくつかの企画を中心とした交流会となりました。

4月各人が自由に交流を行った。
5/7参加者による自己紹介
5/21外国人ポスドク(Thomas R. Mollee氏,Li-Chang Hung氏)による海外の話
5/28藏野研究室
6/11現象数理系の紹介
6/25代数系の紹介
7/2解析系の紹介

ii) 後期:特に企画を設けず、各人が自由に情報交換や交流を行いました。

前期は研究室紹介を行ったこともあり、椅子の数が足りない程の参加者がある時があり、有益な交流の場となったと思われます。研究室紹介では、所属学生が中心となり、時には先生方の協力も得て、普段なかなかみることのできない研究室内の様子や勉強内容等を聞くことができました。これから配属先を思案中の学部2、3 年生にとっては、新たな情報源として大いに活用できる内容であったと思えます。また、海外ポスドク2名(1名は9月に帰国)が故郷や趣味の話しを英語でしてくれました。彼らとの会話は全て英語だが、聞き取りやすく話してくれるので、良い英語の練習にもなったと思います。


講演会報告

Ikuta International Workshop on Symplectic Geometry (12月11日、12日)

12月11、12日に生田キャンパスにおいて、ポスドクの吉田が世話人となり、GPとMIMSの後援により上記のワークショップを開催しました。

内容は、吉田の専門であるシンプレクティック幾何です。シンプレクティック幾何は、解析力学の相空間の一般化であるシンプレクティック多様体の幾何学的性質を調べる学問で、表現論、数理物理、ゲージ理論、低次元トポロジー、組み合わせ論などさまざまな分野と関連があり、現在活発に研究されています。今回は、主に完全可積分系にまつわる最近のトピックについて、6人の国内外の研究者が講演を行いました。講演題目は以下の通りです。
Mark Hamilton氏(東京大学)Quantization of integrable systems using real polarizations
西納武雄氏(東北大学)Toric degenerations of Gelfand-Cetlin systems and potential functions
吉田尚彦(明治大学)Acyclic polarizations and localization of Riemann-Roch numbers
原田芽ぐみ氏(McMaster大学)Divided differences operators in equivariant K-theory: a preliminary report
佐久川恵太氏(明治大学)Möbius transformations and its limit sets
Tamas Kalman氏(東京大学)Lagrangian surfaces spanning Legendrian knots

ワークショップでは、退化した実偏極を用いた幾何学的量子化と偏極の非依存性の問題(Hamilton氏)やこの問題へのRiemann-Roch数の局所化を用いたアプローチ(吉田)、U(n)のGelfand-Cetlin系のトーリック退化とその応用(西納氏)、コンパクト連結Lie群作用とその極大トーラス作用の同変K理論の関係(原田氏)、3次元メビウス変換(佐久川氏)やシンプレクティック場の理論の話題(Kalman氏)について解説がなされました。具体的な講演内容については、以下のURLをごらんください。
URL: http://www.mims.meiji.ac.jp/seminars/20081114.html

今回のワークショップは、テーマをかなりしぼり、講演者もその専門家にお願いしました。そのため、規模は小さかったが、かなり高度で専門的な講演を聞くことができ、研究者としてとても勉強になりました。また、参加者、特に学生は、講義で教わるある意味「完成した数学」とは違う、現在進行中の「生きた数学」の一端を肌で感じることができたのではないかと思います。

今回、種々の理由から、ワークショップの案内を出すのが直前になってしまいました。にもかかわらず、多くの方々に参加していただき、無事に終えることができました。お忙しいところ講演を引き受けてくださった講演者の皆様、ご足労いただいた参加者の皆様、それから、今回のワークショップに尽力してくださった大原裕美さん、阿原一志先生に感謝いたします。

吉田尚彦


「講演会報告」では、出席者のみなさまの感想文を募集しています。数学科学生のみなさんは、SNS内で投稿していただければ、掲載可否の確認後、可能であれば転載させていただければと考えています。

GPに関係する講演会に限らず、研究集会に出席した際の感想なども募集しています。難しく考えず、1行や2行の感想でも大歓迎です。みなさんの投稿をSNSの日記またはメール(gppd [at] math.meiji.ac.jp ( [at] は@と置き換えてください))にてお待ちしています。

The 4th Japan-Vietnam Joint Seminar on Commutative Algebraの告知

来る2月17日(火)から21日(土)までの期間で、"The 4th Japan-Vietnam Joint Seminar on Commutative Algebra -by and for young mathematicians-"が生田キャンパスA館A301教室にて開催されます。

4回目を数えるこの"Japan-Vietnam Joint Seminar"は、可換環論という代数学の分野における日本とベトナムの共同教育および共同研究の発展を目指し、第1回は2001年8月に横浜で、第2回は2006年3月に生田キャンパスで、第3回は2007年12月にベトナム・ハノイの Institute Mathematics で開催されています。このJoint Seminarは、その副題"by and for young mathematicians"の通り若手数学者たちが企画し、講演を行うという、若手による若手のためのセミナーとして発展してきたものです。

今回は、午前中にはAnurag Kumar Singh氏とMaria Evelina Rossi氏という2人の研究者を招聘し、その専門分野に関する若手研究者向けのレクチャーを行って頂き、午後には日本・ベトナム両国の参加者たちによる研究の成果発表の場を提供する形を取っています。

本Joint Seminarは、MIMSおよびGPの支援により開催されていると共に、GPポスドクの松岡と博士前期課程1年の金沢雄太君が、明治大学ポスドクの櫻井秀人氏との協力と明治大学教授の後藤四郎先生の指導の下に開催準備を進めています。

より詳しい情報は、下記のURLをお尋ねください。

The 4th Japan-Vietnam Joint Seminar on Commutative Algebra

編集後記

早いもので後期の授業が終わりに近づこうとしています。今回のGPニュースは、後期授業が終わる前に発行することを目標に準備を進めてきました。
今年度の新たな取り組みとしてGPポスドクが中心となり、毎週水曜日のお昼休みに数学科資料室においてコーヒータイムを開催してきました。前期は研究室紹介をしたときもあり、学部学生が参加してくれて嬉しく思いました。後期は参加人数は少なかったものの、各人が自由に交流を深めることができました。来年度も引き続きコーヒータイムを行いたいと思いますので、皆様、ぜひ気軽に参加してください。新たな交流、発見、情報交換など、コーヒータイムを大いに活用しましょう。
生明祭のポスター発表は、M1の三人の活躍で大成功を納めることができました。テーマの決定、ポスターの構成、ポスター作成など、全てが未経験という状況の中、三人のチームワークで短期間に完成することができました。当日のお客さんの入り(50名は下らなかったと思います!)、また、三人が丁寧に説明している様子を見て、手伝いをしたポスドクは非常に嬉しく思いました。今後、三人の力作が資料室に展示される予定です。ぜひ参考してしてください。

来年度もよろしくお願いします。


このニュースに対するご意見・ご要望等ありましたら、gppd [at] math.meiji.ac.jp([at] は@に置き換えてください)宛のメールまたはSNS内「GPホームページ品質向上委員会」コミュニティへの投稿にてお寄せください。

GPニュース編集委員:谷口由紀
松岡直之
吉田尚彦

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